「第19回日本バイオメカニクス学会大会」―短信
「第19回日本バイオメカニクス学会大会」―短信
9月13日から15日まで所沢の早稲田大学のキャンパスで第19回日本バイオメカニクス学会大会-ヒトの動きのしくみを探る-という小生にとっては堪えられない学会で、興味深い演題発表の数々があり、日参しました。専門外の話が多く十分な理解が得られぬことが多いのですが逆に少しでも他分野の情報を収集しようとのスタンスで聴いて来ました。3つ、4つトピックスをご紹介しましょう。
1.2日目オリンピック3大会出場の100メートルのスぺシャリスト・朝原宣治選手(大阪ガス)がメインで、同じく400メートルリレーの一人として2大会出場した土江寛裕選手(早稲田大学科学学術院)が進行役で、同じく早稲田大学科学学術院のコーチ磯繁雄氏と国立スポーツ科学センター研究員の松尾彰文氏とでフィールドセッションに登場しました。それぞれの立場からの現在のスポーツと科学という観点での話しが聴けました。雨のため屋内でしたが、朝原選手の実演つき講演は迫力満点でした。印象に残ったのは、従来イメージとして定着していた走法が実は科学の目によって、全然誤ったものであることが明らかとなったという事です。例えば骨盤と踏み出す足との関係で同時に同側が出ると言う事は従来誤りであると考えられていた様です。走りのイラストも間違った捉え方をしていたそうです。今はやりの忍者走り・難波走法は特別新しいことではなく、マスコミが話題性から記事をその様に書いただけとの事です。
2.ランチョンセミナーで今大流行の杉原プロもやっていると言う加圧式トレーニングの話が出ましたが、まだまだその安全性を確認中との事で一般人がすぐ取り入れる所まで至っていない様です。
3.ゴルフ関連では、肩甲骨と股関節に注目した演題が3,4題出ていました。
肩甲骨は体の柔らかさ、股関節は体重移動との関連で当然重視されて然るべきと思いました。
4.帰り際に駐車場で朝原選手・土江選手にパッタリ出合い、つい雰囲気的に話し掛け易かったので、朝原選手に「ゴルフの場合ルーチンが非常に大切にされるがあなたの場合は如何ですか?」と問うて見たところ、「自分はあまり意識しないが、外国の選手も含めて他の選手にはかなり意識している選手はいる。」との答えが返ってきました。小生思わず、ルーチンは極めて大事なことなので、これからは考慮して見た方が良いですよ!と言いそうになりましたが、それは大変出過ぎたことと言葉を飲み込みました。
September 20, 2006 Mura-q