人間工学的ゴルフスウィング論

小生は整形外科医的発想のスウィング解析に妙味を覚え、自分のゴルフなどそっちのけになった事もありました。今は両者を追及するように心掛けています。フィードバック機能を楽しんでやっています。言うは易く、行うは難しですが。
今ゴルフに関する情報が氾濫している時代ですが、色々な知識は知っておくとどこで役に立つか分からぬものです。もっとも運用を誤ると、ひたすらカーオスへの路を歩む危険をもはらんではいますが。いわゆる頭でっかちで身動き取れなくなる事もあると思います。小生などたびたび経験済みです。
さてこれから小生の独断と偏見に満ちた人間工学的ゴルフスウィング論を展開します。老婆心ながら、くれぐれも参考程度に留めて頂きたく。
まず身長とスウィングプレーンについてですがやはり身長それぞれに応じた適正なスウィングプレーンの傾斜があると思うのですが、身長以外にアドレス時の下半身の重心位置(膝の曲げ具合)・上体の前傾角度・ハンドアップダウンの差・肘のやや屈曲した杉原プロスタイル・一般的肘完全伸展位などの諸因子が関係すると思います。昔の宮本康弘プロや福島晃子プロのように徹底してアップライトにこだわる選手もいれば、比較的身長の低いプロが、思い切りフラットなスウィングプレーンを選択する場合もあると思います。前者のような選手のスウィングプレーンは可なり無理して作り上げたものでスウィングセンターは、オーソドックスな第7頚椎より遥かに上の頭の中央部位になるのでとの印象さへ受けます。それぞれにメリット・デメリットがあるわけですが骨格的に上肢からの連絡点である第一胸椎の一つ上の第7頚椎辺りが妥当な所と巷間言われていると思いますし、骨格上も最も自然で見た目の違和感もなく人間工学上もグッドと思います。「アップライトなスウィングをする人にとって、長尺は使い難いのではないか。」と言われる事ありますが小生、全く同感で遠心力を働かせ難く働かせるとダフリ易くなると考えます。
小柄な日本人が、体力的に外国人に劣るハンデを埋めるために、中村寅吉プロ・樋口久子プロが採用したスウェイ打法について考えて見ます。より単純であるスウィングセンターを不動にするスウィングに比べて、リスクに敢えて挑戦したものでしょう。陸上競技ハンマー投げの室伏選手が並み居る外国選手との体力差を跳ね返すために編み出したとされる倒れこみ投法に通じるのではないでしょうか。技の難易度からすれば遥かに単純でない室伏投法を習得するのが難しいとの事でなるほどと肯けます。
以上は小生の人間工学的ゴルフスウィング論の一端で、高校同期会有志のメール交換の場で小生が発信したものを改変したものです。
October 4, 2006 Mura-q